歯科矯正について

矯正治療とは?

歯ならびや咬み合わせが悪いことを不正咬合(ふせいこうごう)といいます。不正咬合があると、お口の中の見栄えだけでなく口もとの形のバランスにまで良くない影響が現れることがあります。さらに不正咬合が顎の成長や顔かたちに影響を及ぼして、コンプレックスを与える原因になることもあります。また、歯磨きが十分に行き届かずに、むし歯や歯ぐきの病気などにかかりやすなったり、食べ物をしっかり噛めなかったり、発音がしにくく感じることもあります。

矯正治療とは、きれいな歯ならびとしっかりとした咬み合わせを作ることによって、機能的な不具合を取り除くと同時に、さらには顔かたちにまで影響を与えることによって、心身ともに健康な状態にする治療なのです。

矯正治療の時期

矯正治療のゴールは、治療開始時期にかかわらず、永久歯が生え揃ったときに健康的で美しい状態であるということです。

そのためには早く始めればいい、というものではなく、一般的な病気と違って「早期発見・早期治療」が奏功することはあまり多くありません。ただ<適切な時期>というものはあります。

身体が成長している時期に治療した方が、治療後の歯並びや咬み合わせが身体に馴染みやすかったり、顎の成長を顔立ちの変化に利用できたりすることがあります。

しかし逆に、成長の終了を待って治療を始めた方がよいような場合もあります。また、高校や大学の入試前など、生活が大きく変わる可能性がある時期の前は避けて治療をした方がいいという考え方もあります。

まずは、気になった時にご相談いただき、お話を聞いていただいた上で治療するか、その時期はいつにするかを決めていただくのがよいと思います。

Ⅰ期治療とⅡ期治療

Ⅰ期治療:小児矯正、予防矯正と呼ばれることもあり、多くの場合乳歯と永久歯が混在した時期(6〜11歳くらい)におこなわれる矯正治療を指します。当院でⅠ期治療をするのは

Ⅰ期治療をすることによって、のちの治療が必要なくなると思われる場合。

Ⅰ期治療をすることによって、のちの治療に対して利益がもたらされると思われる場合(治療期間の短縮、治療結果の質の向上、歯周組織への配慮など)。

その時点で、コンプレックスが強かったり、いじめの原因になっていたりなど、心の問題を取り除いてあげたほうがよいと判断した場合。などの場合です。

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Ⅱ期治療:永久歯は生え揃った状態でおこなう(12歳以降)いわゆる本格矯正です。基本的には手遅れになるということはありません。成人になってからでも十分治療は可能です。

抜歯治療と非抜歯治療

矯正治療を始めるにあたって、抜歯をお願いすることがあります。むし歯にもなっていない歯を抜くことには抵抗を覚えられるかと思います。もちろん、より多くの歯がある、ということは将来的に大きなアドバンテージです。

しかし顎の大きさと歯の大きさの調和が取れていないことが原因で叢生(ガタガタ、乱杭い)が生じている場合、無理に矯正装置の力で歯列を拡げて全ての歯をならべても、歯が前方に突出して口が閉じにくくなったり、無理に閉じようとして口元の形が悪くなったりすることは望ましいことではありませんし、そのように身体に対して無理な動かし方をしてもその後の安定に欠けます。

また、上下の咬み合わせにズレがあるような場合も、非抜歯ではそのズレを解消するのに限界があります。

すなわち、矯正治療に先立って採得した資料に基づいておこなう診断において、非抜歯で治療した場合と抜歯をして治療した場合をそれぞれ予測し、その上で、双方のメリット・デメリットを鑑みて、患者さんのご希望も併せて、より良いと考えられる方法を選択します。

不正咬合の原因

遺伝などその人がもって生まれたものによるものです。

指しゃぶりなどの癖で、長期間に及ぶと咬み合わせに悪い影響

を与えることがあります。

不正咬合を起こす原因は、大きく分けて2つあります。

ひとつは遺伝などその人がもって生まれたものによるものです。

これは生まれながらのものですので、現在のところ予防はできません。

もうひとつは指しゃぶりなどの癖で、長期間に及ぶと咬み合わせに

悪い影響を与えることがあります。

またむし歯も治療せずに放置していると歯ならびを悪くする

原因になります。

治療期間について

乱れた歯ならびを治すには、歯を動かしてきれいに揃えなければいけません。しかし歯の全長の2/3を占める歯の根っこ(歯根)は顎の骨に埋まっていて、歯に加えられた矯正力は歯根から周囲の骨に伝わって、骨の吸収や新生を繰り返しながらゆっくりと歯全体が動いていきます。すなわちこの骨が変化していくゆっくりとした速度でしか歯は動かせないのです。

個人差はありますが、歯を動かして咬み合わせを治す期間だけで最低2年ぐらいかかるのはこのような理由からです。また初診の不正咬合の状態によっては、乳歯がまだ残っている時期に一度治療をおこない、永久歯がすべて生えそろった時期にもう一度全体の治療をする場合もあります。

また顎の成長が終わるまで経過観察をしてから治療を始めるような場合は、初診から終わるまで10年以上かかることもあります。

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